ヨコハマ物語 夢草子-明治編-

両親を亡くした卯野は、叶屋の主人に引き取られます。
父の雇い主だった旦那様には卯野と同い年の娘・万里子がいて、卯野を本当の娘と同じように育てることを約束してくれます。
ところが、おしとやかで美しい万里子お嬢様だったが、すぐにいたずらっ子な正体が明らかになってきます。
外国への憧れという共通点のある卯野と万里子は親友となり、いつか一緒に外国へ行こうと約束をし、二人は旦那様を説得し、英語や学問を学ぶため学校へ通うことになる――

文明開化の浪漫薫る、明治を舞台にした少女の成長物語です。
フランスにロシアにアメリカ、横浜には諸外国から貿易船が訪れます。
山奥の田舎で育った卯野には、見るもの聞く言葉すべてが新鮮に映ります。
グローバル社会で生きる現代の私たちには、外国の人やモノは身近になっていますよね。
そんな私たちには、卯野のように人生が変わるような体験ができる機会はあるでしょうか?
そう考えると、明治という時代が少し羨ましくもありますね。

卯野と万里子の関係は、まるで『アルプスの少女ハイジ』のハイジとクララのよう。
とはいえ、万里子お嬢様の図太さ・いたずらっ子さは、クララに似ても似付きませんが。
卯野と万里子の成長物語に加えて、少女漫画らしく恋愛要素もあります。
叶屋の隣に隠居したおばあさんと住んでいる森太郎や、学校の先生の息子トビー。
森太郎をめぐって、卯野と万里子は三角関係になるのでしょうか?
あるいはトビーも含めた四画関係?
マストから降りられなくなった万里子を助けた、没落士族の少年もいましたね。
続きが楽しみです。

びっちゼミナール

主人公は塾の講師を始めた男です。
先日、やっと念願の個人塾を持つことができて、今日初めて生徒を迎え入れるのですが・・・
やってきた生徒はみんな可愛い女の子だったのです。

彼女たちはエッチには興味があるけど、勉強にはほとんど興味のない困った子たちです。
この子たちをどう教えていこうか迷っていたその時、塾生の一人・橘リナがある悪戯をしてしまいます。
ところが、この悪戯こそが主人公と女の子たちの懸け橋となる行為だったのです。
悪戯自体は単純で、主人公のズボン脱がすというものだったのですが、勢い余って全部脱がしてしまったのです。
ところがこれを見た彼女たちは俄然やる気になります。
宮野あまねなどは初日からモーションをかけてくる積極ぶりがすごいです。

どのような形であれ、生徒たちが興味を持ったものを勉強に利用しない手はありません。
主人公は塾内に小テストを設け、小テストで1番と2番の子だけ相手をしてあげるというルールを作ります。
女の子たちは主人公に相手をしてほしいがために、必死に勉強し学校の成績もガンガン上がっていきます。
最終的に彼女たちはみんな志望校に合格するのですが、やり方がびっちすぎたため主人公の自虐も込めてびっちゼミナールと呼んでいるようです。
ちなみに、2期生以降も生徒が殺到するのですが、1期生のようなずば抜けた子は現れず普通のゼミナールとして経営しているようです。
このびっちゼミナールは主人公と塾生である女の子たちのやり取りが楽しいのでおすすめです。

お年玉でお姉ちゃんを買ってみた

お金で買えないものはないー
資本経済の中ではよく言われる言葉。
ある意味正しくて、ある意味では正しくない・・・どちらが正しいのかはよくわかりません。
ただ、もし人の心さえも買えてしまうのなら・・・
そんな妄想が尽きない題材ですが、お金があれば少なくとも人の時間を買うことはできるでしょう。
もっともこのお話はそんな大きなことはまったくなく、単純にお姉ちゃんの時間を弟が買ってしまったというものです。

昔は小さかったタクヤも最近では一気に大きくなってきています。
とはいえ、まだまだ姉の晶よりも体格は小さいのですが・・・
それでも女事と付き合ったりすということに興味を持ちだしてきたのです。
しかし、同年代の子と付き合うには勇気がないタクヤはお姉ちゃんを買いたいと言い出したのです。
お姉ちゃんなら遠慮はいらないので恋愛の練習台になって欲しいというのです。
お姉ちゃんの晶はそんなタクヤにあきれながらも、タクヤの持っているお年玉に目が行ってしまいます。
タクヤはかなり本気で言っているらしく、お年玉を握りしめてきたのです。
しちょっとしたバイトとしてならやってもいいかと思ったお姉ちゃんはタクヤの話に乗るのですが・・・

こうして晶とタクヤの疑似恋愛が始まるのですが、「お金で買えないものはない」と考えるタクヤと、お金と恋愛を切り離している晶との溝がどう埋まるのか見ものです。
お年玉でお姉ちゃんを買ってみた。ではだんだんとタクヤが主導権を握っていくのですが・・・
少なくとも晶とタクヤの関係はどこかで終わるはずなので、その終わり方も気になりますね。

有栖川煉ってホントは女なんだよね。

有栖川煉はドラマの主演枠にも入っている売れっ子俳優。
それに引き換え従兄弟の有栖川恭は冴えない大学生。
煉が泣き虫なのに、恭はどちらかというと強引でごつい性格。

こんな正反対の二人ですが、実は有栖川煉は女であることを隠して生活しています。
もちろんタレント活動も男としてやっています。
しかし、女の子である煉にとって、正体を隠して生活や仕事をすることはかなりのストレス・・・
ある日煉は仕事が嫌になって逃げだしてしまいます。
逃げ出した先は幼馴染で従兄弟でもある恭の家。
実家に戻ってもすぐに連れ戻されると判っているので、信頼できる従兄弟の家に逃げ込んだのです。
しかし、些細なことから喧嘩してしまい、その拍子に煉が本当は女であることがバレてしまいます。
恭は煉を匿う代わりに何でもすると言われ、思わず匿ってしまいます。

しかし恭は煉の本当の気持ちをどこまで理解しているのでしょうか?
仕事が嫌で逃げてきたのは本当でもその後の対応を見ていると、どうしてもただの幼なじみで終わりそうにない気がします。
また、タレントとして人から好奇の目にさらされる有栖川煉にとって、恭の家は落ち着くものなのかもしれませんが、だからと言って長居もできないことは煉自身が一番分かっています。
有栖川煉ってホントは女なんだよね。の行方が気になりますが、まだ完結していないので先が楽しみです。

夏子の酒

東京の広告代理店で新米コピーライターとして働く夏子。
夏子は、兄が倒れたという知らせを聞いて、新潟の佐伯酒造へと帰る。
兄の無事を確かめた夏子は、父親に追い返されるようにして東京に戻る。
ある日、長谷酒造の特級本醸造「金寿」のコピーライトの仕事が舞い込む。
実家が作る「月の露」よりも美味しいとは思えなかった夏子だが、
上司にプロ根性を見せろといわれて、渾身のコピーを生み出す。
そんな折、兄が急逝してしまい――

働く女性としての在り方、酒造の跡継ぎ問題、父と娘の関係・・・
なんだかとっても深ーい漫画です。
第一巻の最後では、夏子は結局実家に戻ってくるのですが、
それまでの広告代理店での働きぶりにも強く共感できます。
大事にしていたコピーをよその商品のために差し出したり、
自分がいいと思うものよりもクライアントの意向を優先しなくてはならなかったり・・・
それでも夏子は諦めずに前向きに頑張っていました。
単に跡継ぎの兄が死んだから、仕事がいやになったからという理由で、
実家に帰ったわけではないんです。
コピーライトの仕事を通して、兄の夢を叶えたいという気持ちが強くなったのです。
仕事を変えること、生き方を変えることってなかなか勇気が要りますよね。

ところで、純米酒と本醸造の違いについては初めて知りました。
本状造酒というのは、アルコールを添加して、
水あめなどで味付けしているものだったんですね。
久しぶりに日本酒を飲みたくなりました。
ちびちび舐めながらこの漫画を読むのもなかなかオツではないでしょうか。